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窓の設計のポイント コアーではこのように考えています

こんにちは、技術管理部の成願です。
家造りのヒントとして、住宅のいろいろな細部についてお話しているブログです。
今回、テーマは「窓」。いろいろなことを考えるポイントですが、今回は窓の意匠的なことを中心に書いていきます。

家づくりの中で、窓の設計は、住宅会社によってスタンスが大きく違ってくるポイントの1つです。
窓について考えることをざっくり書き出してみました。ここでは漏れていることもあるかもしれません。

①採光・・・窓の大きさ、位置によってコントロールします。これについては日影図や敷地、近隣のリサーチが重要。
②温熱・・・暑さ寒さに最も関係するのが外部サッシです。各社、性能を競って新商品を出してきます。最高の性能のものは値段も・・・。価格と性能のバランスを考えて選択します。この辺も深いテーマなのでまた後日・・。

③視線・・・プライバシーと開放感を、大きさ、位置、ガラスの種類、格子の組み合わせてコントロールします。
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道路側の窓に木製格子を合わせています。視線を切りつつ、外観のアクセントになります。
家の顔をどうデザインするかを考えていきます。

④庭を切り取る額縁・・・家造りを自然環境、周辺環境と一体に考えることは、弊社の家造りの基本です。窓から見える風景も家の環境として捉えます。
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大きなFIX窓は真ん中にほだてが来ないので、スッキリと景色を取り込むことができます。
ベンチと組合せて庭を感じるリビングをつくっています。

⑤モノとしての愛着・・・少し特殊な視点かもしれませんが、気に入ったハンドルや素材感の窓、特に木製サッシに愛着を感じるのでは?と思っています。プロダクト的なこだわり。好きな革靴を履いて出かけるようなワクワク感を、家の細部にもてるのではないでしょうか。
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リビングによく採用してもらっているプロファイルウインドウ。断熱性能が高く、気密性能も確保された木製サッシです。
「ヘーベシーベ」という種類で、ドイツ語で引戸が持ち上がってスライドする機構のサッシを意味します。重厚な木製サッシですが、軽々と動いて、ハンドルを下げるとガチっと固定される。そういう高性能のサッシです。実際に開け閉めをしてみて、気に入ってもらえることが多いです。
見学会などで体感ください。

⑥部屋とのバランス・・・少し専門的な内容になりますが、特に和室は伝統的なプロポーションの決まりがあります。
障子、ふすま、畳には美しいプロポーションがあり、和の建築にはそのルールが付いてきます。窓の寸法も、特に和室はプロポーションを強く意識して設計するものです。茶室の世界では、その中で、崩したり遊んだりということも行われます。コアーの家は数寄屋のように完全な伝統のルールで設計しているわけではありませんが、プロポーションに対して敏感でありたい。美しい家をつくりたいと設計者は考えています。
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和室の地窓は設計の中で、意識しているポイントの1つです。

このように窓という部分だけを考えても色々なポイントがあります。
ここで書いたこと以外にも、考えることはたくさんあります。家造りの打合せの中で、一緒にこだわりの開口部を考えていけたら嬉しい限りです。

(成願)


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