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屋根をかける

建物は、屋根がないと建物として定義付けされません。

今回は、コアー建築工房での屋根をかける様子を紹介したいと思います。

 

コアー建築工房では、「屋根パネル」という、木材をパネル状に加工した部材で屋根を作ります。

屋根パネルはすべて大工さんの手作りです。現場で基礎工事などが行われている頃、作業場で製作して下さっています。

パネル1枚の大きさは畳1枚より少し小さいくらいで、大屋根と下屋すべてを覆うためには規模の小さいお家であっても何十枚という量が必要で、製作にはかなりの期間を要します。

また、屋根パネルの中には断熱材を仕込んでおり、側面にはお家の気密性能を損なわないよう、黒い気密テープを貼っています。

そして上棟作業の1日目。無事に棟が上がれば、登り梁に先程の屋根パネルを載せて屋根を形作っていきます。

ラフターというクレーン車を使って、建物の上までパネルを吊り上げ、登り梁にビスで固定していきます。文字に起こすととてもシンプルな工程です。

屋根パネルの側面には実(さね)という板と板とをかみ合わせる凹凸があり、しっかりかみ合わせて接着することで、何枚ものパネルも最終的には1枚の屋根となって、雨風や日射しから家の中の人たちを守ってくれるようになります。

屋根の造作途中。半分だけ屋根が掛かっている状態。ほぼ目にする機会は無いと思います。

ようやく屋根がかかると、室内も大分暗くなります。雨に降られる心配も無くなり、大工さんも安心して作業に取り掛かれるようになります。

この時点で骨組みと屋根ができるので、かなり家らしい形になり、如何にも木造建築といった風貌になります。

 

屋根の上はこんな感じ。屋根パネルの上面になります。最終的にはガルバリウム鋼板を葺いて仕上げ、隠れてしまう部分のため、普通の合板を使用しています。

 

反対に室内側は室内に天井を張らない限りはこれ以上隠れず露出してくるため、屋根パネル製作の段階で杉板を貼って仕上げとします。画像は上小という節目のない綺麗な杉板を使って製作したパネルを使用した例。

 

このようにして、屋根の部分が出来上がります。

工事の工程からしても、上棟のために第一に屋根パネルの製作から取り掛かるように、建物をつくるうえでの屋根の重要性を感じられます。

 

 

 

 

(後藤)

 


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