皆さんのお家は玄関までにどんなアプローチが広がっているでしょうか?
集合住宅のように家の前の道路に対して正面を向いた玄関ではドアを開けたときに家の中が結構見えてしまうことになりますので、工務店としても住まい手のプライバシーを守るための提案をしたいと感じます。
アプローチの計画ひとつをとっても、こだわればいろんな可能性があるように思います。
通行の利便性などを追い求める人や、置物などを置いて玄関廻りを自分好みに飾れるような空間が欲しい人もいるかもしれません。
コアー建築工房で建てていただいたお家にも色々なアプローチと玄関廻りの姿が存在します。今回はそのうちの一例を紹介したいと思います。

こちらの物件は、敷地いっぱいに建築しており前面道路から玄関までの距離がとれません。
そこで玄関前に壁をつくって囲い(写真ベージュの壁の部分)、LDKに繋がるデッキと植栽でかっこいいアプローチを演出しています。
植わっている植栽は足元は細くて主張しませんが、1枚目の写真のように家全体で見たときにはしっかりと存在感があり、少ないスペースでも植栽を計画する意味が現れているのではないかと思います。
夏場などはデッキに腰かけたりして、玄関のアプローチでありながら中庭のような空間としても使えそうです。

続いての物件。こちら写真右手の外観から見える格子戸は玄関扉ではありません。


格子戸の向こうは自転車置き場を兼ねた玄関ポーチがあり、そこに玄関扉があります。
アプローチから家の中はまず見えないので、外からの視線はかなりブロックできています。
また玄関扉を素通りして奥に出ることもでき、矢印を引っ張ったようにそのまま家の裏を通って勝手口まで進入可能な通り土間のような仕組みになっています。


同じように格子戸の奥に玄関があるアプローチの物件ですが、こちらは格子戸を開けるとまず中庭が視界に飛び込んできて抜け感を感じます。
来客対応時も中庭が客人の目を引いてくれますし、家主であってもこんな立派な中庭が出迎えてくれたら、毎日早く家に帰りたくなるかもしれませんね。

続いては控壁を設けてシンプルに視線を切ったパターンを紹介します。
控壁を設けて玄関を開け放った時に家の中が外から丸見えになることを防ぐだけでなく、郵便受けやインターホンを設けて視線を切る以外の役割も与えています。

両側から垂れてくる木々の下をくぐって飛び石を踏み抜ける楽し気なアプローチになりました。

さらにシンプルに目隠しをしているこちらの物件。敷地の脇の階段から玄関へ繋がっています。
玄関とLDKが道路に面していますが、生い茂る木々で視線を遮ることができています。
工事中の写真と見比べると、植栽があるのと無いとではかなり違って見えます。

壁などの人工物ではなく自然のものでやんわりと視線を切り、光や風はそのまま通してくれるのでかなり穏やかな空間になっているのではないでしょうか。
お家を計画する際は、間取りなどの内部のことにばかり気を取られがちかもしれませんが、外構の計画などを通して敷地いっぱいに思いを詰め込むことが出来ます。
どの建物にも、外観があたえるそれぞれの印象があると思いますので、周辺環境にも気を配ったお家造りをしていきたいと思います。
(後藤)




