大工さん紹介の第3回は、第1回で紹介した横田棟梁の下で子方として勉強中の小林大工さんです。
3年前に新人大工としてコアーに入社して、現在最も若手の大工さんの一人です。

小林智哉君は、平成10年1月に大阪で生まれました。
父親は建築士で今でも工務店を経営しています。
小さい頃に、宮大工だったお爺さんがお寺の修復をする姿を見て、大工になろうと決心します。
さらに、滋賀県にあるご両親の別荘の上棟写真を見て、決意を固めました。
高校を卒業後、職藝学院という大工と庭師の専門学校へ進みます。
この学校は富山県にあり、2年間合宿所のようなところで共同生活を送ります。
なぜ富山なのかと言うと、富山にしかこの専門的な技術を教えてくれる学校がなかったからです。
富山はお魚の美味しいところですが、この頃によく釣りに行って、釣った魚を自分で捌くことを覚えたそうです。

専門学校では、手加工(きざみ)の技術を勉強しました。
最初は、鑿(のみ)の研ぎ方から教わったそうです。
大工コースだったのですが、最初の1年間は共通で庭師の勉強もしました。
ですが庭師は感性が必要となるので、難しいと思いました。
コアーに入社した経緯ですが、小林君のおばあちゃんがたまたま社長と知り合いだったそうで
コアーを勧められました。
調べてみるとコアーが手加工をしている工務店だと知り、さらに興味が湧きました。
そして社長に言われて、コアーの感謝祭の日に来社して初めて社長と会って、その場で採用が決まったそうです。
横田棟梁との出会いを聞いてみると、忘れられないのが、初めて食事に連れて行ってもらったお店が
「吉野家」だったことです。
吉野家に集合と言われて、牛丼を食べて次にどこかに連れて行ってくれるのかと思ったら、そこで終わったとの
ことでした。
横田棟梁もなかなかですね。

現在の目標は、2級建築士の資格を取ることです。
去年、4科目のうち3科目は合格したのに、1科目だけ1点足らず不合格となりました。
今年は何としても合格したいと思っています。
これに合格したら、次は技能士の資格にも挑戦したいと思っています。
さらに将来の夢は、お爺さんのような宮大工になることです。
これはかなり難しい挑戦ですが、大工になろうと決意したきっかけを与えてくれたお爺さんにちょっとでも
近づきたいという思いからです。 (佐野)