記事一覧

気持ちの良いフローリング床

コアー建築工房のお家の床は、標準仕様で無垢のクルミのフロアを使用しています。

無垢材は調湿効果があり、湿気を吸収・放出してくれるためお部屋を快適な湿度に保ってくれるだけでなく、自然の木の独特の暖かみを感じられ視覚的にも感覚的にも良いことがあるのが特徴だと思います。また経年で飴色に染まっていくのも「味が出てくる」と解釈でき、木が生きていることが実感できるかと思います。

フロアの張り方にもいろいろありまして、同じ寸法のフロア材を一定にずらして目地がレンガ目地のようになるように施工するのをりゃんこ張り、長さがバラバラなフロア材を張っていき、りゃんこと違って目地に規則性を持たさない張り方を乱尺張りと言います。

↑りゃんこ張り。横向きの目地が一直線に揃うのが確認できるかと思います。

↑乱尺張り。りゃんこ張りに比べるとフロア材一枚一枚の独立性が強調されます。

 

今回注目したいのはフローリングの張り方向についてです。

フロアは基本は部屋の長手方向に平行になるように施工します。そうすることによって奥行き感が出て空間の広がりを感じることができるのです。

 

 

↑短手方向に張った例もあります。写真右側に庭と玄関があり、そちらからの奥行き感が演出されます。

 

横幅が狭く奥に長い廊下などで施工するとより効果を実感できるかと思いますが、廊下に接続される部屋との協調性などにも注意を払う必要があります。

↑こちらの例だと、手前側の玄関は長手方向に対して垂直にフロアを張っていますが、引戸を開けた先には奥に長いLDKが広がっているため、フロアの意匠的な連続性を保つためにあえてこのように施工しています。フロアの縦と横が錯綜するだけでも、気になってしまう場合があるということですね。

 

フロアの張り方ひとつにしても、人の感覚は様々なことを感じ取るため、それに対する配慮が現代の知恵として活きていることが学べました。繊細なものの見方を磨いていくことで、気持ちのいい空間の実現に近づけそうです。

 

(後藤)

  


SNSシェア