記事一覧

橿原市新賀町に、由緒ある古民家を訪ねる。

こんにちは、技術管理部の梅谷です。

本日は、久々の「奈良ネタ」です。

古民家を見てきたよ、という話です。

 

個人的理由で、私はよく奈良県橿原市へ行くのですが、この日もそうでした。少し時間があったので、橿原市内を車で走っていたとき、ナビ画面に「森村家住宅」という名称を発見致しました。

「おっ、こんなところに有名な古民家が在るんや!」

コアー建築工房という、木造住宅に特化した、しかも古民家再生も手掛けているという工務店で働く者としては、これはスルーする訳にはまいりません(笑)。ナビでコインパーキングを探して駐車、そこから徒歩8分となっている「森村家住宅」に向かいます。

言っときますけど、私「森村家住宅」の予備知識があったわけではないです(てか、その存在すら、その時初めて知りました)。ココロが、カラダが、勝手に反応して、吸い寄せられるようにして、未知の古民家目指して歩いて行ったのでした。

 

iPhoneのナビに従って進むと橋が見えてきました。目指す先は、この川向こうのようです。

橋のたもとに、ビビッドな色目の「のぼり」が立っていました。由緒ある神社が在るようです。

橋の上から川の様子を見ました。

見事なまでの葉桜です(笑)。3月終わり頃~4月初め頃は、さぞ綺麗だったことでしょう。

 

集落の中へ進みます!

この道路の突き当りに見える建物が、目指す「森村家住宅」です。

その手前に、立派な本堂を擁するお寺がありました。

後で調べたら浄土真宗系の「西教寺」という事でした。

この辺り、古そうな建物と、新しめの建物が、モザイクのように組み合わさって混在する地域のようで、「いにしえの繁栄の記憶」と「抗えない時の流れ」を、同時に感じます(←ちょっとNHKのドキュメンタリー番組ナレーション風に)。

 

そして、目的地のすぐ手前左側に、「ビビッドのぼり」の神社が在りました。

市杵島(いちきしま)神社。「のぼり」には「本殿造営三百年」と書かれてありました。これは、立ち寄るしかありません。

中へ入ると、こんな様子です。

この建物を、なんと呼ぶのか分からないですが、本殿はその向こうに建っているようです。で、この建物の中に入ります。

おお、建物越しに300年の歴史を誇る本殿が見えます。

もう少し本殿に近づきます。

聖域です。清澄な氣に満ちているように感じました。

小ぢんまりとした神社ではありますが、管理は行き届いているようで、建物は古くても綺麗に清掃されておりました。地域の方々が大切に守り続けてきたのでしょう。

 

さて、寄り道は以上として、いよいよ「森村家住宅」に到着です。

立派な門屋が、ど~ん と迎えてくれます。

門の中央には

「国指定重要文化財 森村家住宅」

「県指定名勝 森村家庭園」

と書かれた木製看板が、誇らしげに掲げられておりました!

でも、一般公開はされていないようで、残念ながら中には入れませんでした(予備知識なしで来たもので、ううっ←嗚咽)。

 

■ここで、「森村家住宅」予備知識のコーナーです!

(橿原市のホームページより)

 

上の説明を読んでみると、この家がとてつもなく貴重なものであるという事が分かります。

中に入れなかったのは残念ですが、せめてその特徴的な外観だけでもご覧になって頂きたいと思ひ(←言葉も旧仮名遣いとなるイキオイです!)、写真をアップさせて頂きます!

 

門屋の方からです。

橿原市のホームページによると、このような屋根形状は「大和棟」と呼ばれているようです。主屋だけでなく、門屋もその伝統形式で建てられているのですね。

また、そこには「〈注意〉現在、森村家住宅は見学できません」と、しっかり書かれておりました。予備知識は大事ですな、やっぱり。

棟の形状、すごいです。こんなの今まで見たことがないです。

 

 

破風、鼻隠しは、えげつなく ぶっといです。そもそも、破風・鼻隠し とは言わないのかな? これだけ大きいと、、、

 

当然のように、銅製の凝った意匠の樋が取り付けられております。

 

こちら側の破風は漆喰塗り。軒先辺りが変わった形状になっています。

 

 

次に主屋です。

門屋側からは、ほとんど見ることが出来ません、ううっ(←再び嗚咽)

 

なので、裏側に回りました。

 

■ここで、「森村家住宅」予備知識コーナー2です!

グーグルマップの航空写真を掲載させて頂きます。

黄色い矢印が差しているのが門屋です。

裏側に回るというのは、この写真の上(北側)の方に行く、ということです。

 

はい、回ってきました!

手前の田んぼ越しに見た建物の様子です。

大和棟の特徴である、急勾配切妻屋根の主屋が確認できます。手前には蔵か納屋か分かりませんが、大きめの別棟があり、その間をつなぐように、低い棟の建物があります。

建物越しに見えている小山は、大和三山のひとつ「耳成山」です。

 

もう少し近づいてみると、堀があるのが分かりました。

堀には、対岸と蔵(納屋?)をつなぐ橋が架かっております。

 

はい、「森村家住宅」の写真は以上となります。

裏側の写真は、正面の門屋の写真に比べて数が少なく、ちょっと尻すぼみ的な終わり方の印象を受けられたかと思いますので、オマケの写真を載せておきます。

 

建物越しに見えていた「耳成山」に接近して来ました!

もっと近づきました。

耳成山は、近づけば近づくほど、見た目が「山」の体を成さなくなってゆき、最接近時には、こんもりとした森の様に見えましたとさ。

 

はい、以上です。

「尻すぼみ」の印象は、いくらか避けられたかもしれませんが、それ以上に「蛇足」感を残して、本日の記事 終了となります。

ありがとうございました!

(梅谷)

 

 

   

 


SNSシェア