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富田林市 寺内町を訪ねて。大阪府最大の歴史的町並保存地区は、わりとコアーの近くにありました。

古民家大好き、梅谷です。

本日は、大阪府で唯一国から指定された「重要伝統的建造物群保存地区」である、富田林の「寺内町(じないまち)」へ行ってきましたよ、というレポートです。

 

9月半ばというのにクソ暑い日曜日の遅めの朝、車を現地近く(であろう)のコインパーキングに停めた私は、iPhoneの道案内を頼りに、歩いて「寺内町」の入り口を探しておりました。「歴史的町並探訪あるある」で、下手に車に乗ったまま現地を探していると、そのまま細い路地が交錯する街並みに入ってしまい、二進も三進もいかなくなる、という事を避けたかったからです。

 

しばらく行くと、前方に「市営駐車場」の看板が目に入りました。

そこには、こんな案内看板が!

間違いありません、寺内町への入り口です。ちゃんと訪問者用の公共駐車場を整備されてあったのですね、事前に調べときゃよかった。

駐車場の前の道は、少し行くと上り坂になっており、町はその先あるようです。

坂を上り切ると、目の前に現れるのが下の写真の見事な建物!

旧杉山家住宅。国の重要文化財となっています。

説明看板が立てられてありました。

ここは、一般に公開されていて、400円払えば内部も見学できます。

 

旧杉山家の向かい側には、「寺内町センター」なる施設がありました。こちらは無料。

中の様子をご覧ください。各種の展示があり、休憩もできます。

寺内町の概要が、ここで分かります。

 

市営駐車場にクルマを停めてもらい、そこから前の道に出たら坂の上へと誘導する。登り切れば、町一番の見ものである重要文化財の家が目の前に現れる。ふと、その向かいに目をやると、寺内町の散策案内施設があるではないか!という流れ。なるほど、よく考えられた動線計画だなー、と感心した次第です。

しかし、この日は日曜日にも関わらず、駐車場はガラガラで、街の中を行く見学者もほとんど見かけられず、「整備が終わったら、後は放ったらかし」というお役所仕事感も半端ではありませんでしたが。。。

 

それではこの先、写真で町中の散策をして頂きましょう。

寺内町にある約500軒のうち、江戸時代から昭和初期までに建てられた181軒の建造物が「伝統的建造物」に指定されているとのこと。

 

とくに重要な建物は、壁に説明看板を貼り付けているようです。

 

 

 

江戸時代の風情漂う街並みの中に、昭和レトロ感あふれる建物もありました。

中内眼科医院。

調べてみると、この建物は大正13年ごろに国分銀行として建設され、その後昭和17年に三和銀行の所有となり、昭和50年8月まで銀行として使用され、その年の10月に現在の中内眼科医院の所有となり、以降、診療所兼住居として使用されているみたいです。

 

公園の中の案内板も瓦葺き。

 

交流センターも風情ある佇まいです。

 

地区の東端あたりに「じないまち展望広場」というものがあり、寺内町の街並みを展望できるのかな、と期待していってみると、、、

寺内町から他所を展望で来る広場でした。金剛、葛城の山々を望めましたよ、いとをかし。

 

さてここからは、建築屋目線的に、とても気になる建物をご覧いただきましょう。

まずは、街中に散見された、古民家再生の店舗等を、ずらっと並べてみます。

工房

雑貨店

カフェ

酒屋?

うどん・そばの店

庭を囲む複合施設

宿泊施設

お店オーナーの皆様、古民家という宝物を、頑張って次代へ伝えて行ってくださいね!

 

歴史的街並みに馴染む仕様にされている新築・改装物件も多く見かけました。

当然、余分な手間・費用が掛かるわけです。素晴らしい試みだと思います!

 

 

さて、いかがでしたでしょうか。

寺内町は、大阪府で最大規模の歴史的町並保全地区ではあるのですが、江戸時代中期から昭和初期までの建物が混存在する点、規模がそれほど大きくないので周辺の「現代の街並み」が背景として混じって見えてしまう点などで、やや雑多な印象は拭えません。

たとえば、以前紹介した、奈良県橿原市の「今井町」などは、規模的にも大きく、町全体が江戸時代という雰囲気に包みこまれ、没入感という点では、今回紹介した「寺内町」は遠く及ばないかもしれません。

古民家の郷、橿原市今井町を訪ねて。先日、所用で奈良県の橿原市を訪れた際、以前から行きたかった「今井町」に立ち寄ってきました。本日は、そのレポートをお送りしたいと思います。...

 

しかし、昭和生まれ昭和育ちの私個人的には、「懐かしさ、親しみやすさ」を強く感じるのは、寺内町の方です。雑多な雰囲気の街並みは、日本という国が、今よりずっと元気だったころの原風景。大切に守り続けてほしいと思います。

コアー建築工房で働く私個人的には、古民家の店舗への転用や、街並みに馴染む改装に、大変興味を持っております。そんなご計画があるぞーという方、お声がけ下されば、喜んで打ち合わせに飛んで行きます!

「ワタシニ、デンワシテクダサイ。ドウゾヨロシク!」

長く昭和を生きた者でないと、決して分からない謎の呪文を唱えて、本日は終了です。

 

(梅谷)

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