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奈良県明日香村へ。古代遺跡の里は、古民家の里でもありました。

古民家好きの私に、奈良県の知人から、明日香村の「岡」という地区を訪ねてみては?とのアドバイスを頂きました。で、素直な私は、即行ってきました。
明日香村の全体イメージは、田園風景が広がる「田舎」なのですが、かつて日本で最初の都であったとされる「飛鳥宮」があった土地柄で、畑を掘れば当たり前のように古代遺跡がでてくるという、悠久の歴史的文化の香りが漂う場所でもあるのです。今日は、そんな明日香村をご紹介。よろしければお付き合いください。

橿原方面から県道155号線を、車を走らせて行くとこの看板が!

明日香村への入り口です。背景の空が、曇りがちで暗かったのは残念でした。
本日の目的地「岡地区」へ行くまでに、ちょっと寄り道。

セブンイレブンに立ち寄りました。なんと瓦葺きです!

 

155号線沿いにあった公衆便所。ここも瓦葺き。このこだわり、流石です!

 

その近くに、由緒ありそうなお寺がありました。瓦葺きです、当たり前か。

「川原寺跡弘福寺」と看板にありました。現在の建物の周辺に、礎石などが残っており、川原寺時代は大伽藍を誇る大きなお寺だったようです。

 

155号線を挟んで反対側にも立派なお寺が!

聖徳太子御誕生所とされている「橘寺」でした。大改修工事が行われている様子です。

 


この辺りにも、立派な構えの古民家がありました。素敵です!

さて、いよいよ目的地である岡地区へ向けて車を走らせます。


ここが、知人おすすめの古民家の里「岡」です。
岡地区に残されているのは、江戸時代に形作られた街並みで、かつては西国三十三ヵ所観音霊場7番札所 岡寺の門前町として栄えたようです。

では、その風情を残す街並みをご覧ください。

古民家を再生したカフェがありました。こんな工事、やってみたいものです!

 


道路片側に水路があり、水が勢いよく流れておりました。癒されます。

 


こちらは薬店。「陀羅尼助丸」の幟が店先に立てられておりました。その起源はおよそ1300年遡ると言われる日本伝統の胃腸薬です。こんなところにも歴史の重みを感じてしまいませんか? 私だけですか? そうですか・・・。

 


街並みの中央の道を奥へ進んで行くと、T字路にさしかかり、道は山手の方に伸びています。その先には「岡寺」があります。ん、なんでここに鳥居があるのだろうか?

さらに進むと、歴史的街並みはあっさりと終わります。割と狭いですな、うん。

でも、その先には、こんな光景が待っていました。

昭和を生きてきた私にとっては、こちらの方も懐かしくて心に刺さります。

 


明日香村役場。年季の入った鉄筋コンクリート造りの庁舎が郷愁を誘います。

 


村の郵便局。近年改修されているようですが、街並みにしっとりと馴染んでおります。ちょっとコアーが建てる「しおらしき家」っぽいですね(笑)。

後から調べて分かったのですが、明日香村は村全体が、昭和55年に公布・施行された、明日香法(正式には、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法)により、一部の歴史的建造物・町並みだけの保護ではなく、周辺の農村風景も含めて明日香村全域が景観保護の対象とされておりました。
コンビニや公衆便所が瓦葺きだったのは、この法律を遵守し、景観を損なわないための措置だったようです。この法律、ビルはもちろんの事、ビニールハウスすら設置できない厳しいものだとか。大変かとは思いますが、この美しい日本の原風景を、ずっとずっと守り続けてほしいものです。

 

ここからはオマケです。

せっかく明日香村まで来たのだから、遺跡系も押さえておこうと、「国営飛鳥歴史公園」へも行ってきました。

周辺道路からの公園入口看板です。公園の規模の割には控えめで、ちょっと分かりにくかったです。レンタサイクル(たぶん)で遺跡巡りをしているだろう人を、幾度となく見かけましたが、ここはそのような方のための入口なのでしょう。
それにしても、公園内案内図看板には、ひび割れのような模様が入って(これ、デザインではないですよね?)、図も写真も文字も見にくかったです。

公園内には、小ぢんまりとした自転車置き場が、所々に設けられておりました。

自転車置き場を示す「ピクトグラム」が描かれた立看板。表記は日本語のみでしたが、これなら外国人の方でも分かりますよね、きっと。

 


管理事務所へと向かう道。この写真では分かりにくいのですが、左手には鬱蒼とした竹藪が広がっておりました。

 


公園管理事務所。立派です。

 


飛鳥歴史公園館。これまた立派です。
これらの施設のそばに、来園者用駐車場がありました。私はそこにクルマを停めさせて頂きました。無料でした。さすが国営、太っ腹です。

 

公園は広大!こんな広い芝生広場がありました。

 


公園外縁部の道路。柵の向こうに広がる田園風景も、緑豊かで公園の続きのようです。

 


こんな不思議な形状の森?にも出会えました。

 

さて、この公園の目玉ともいえる場所、高松塚古墳です。

↑現地にあった高松塚古墳の解説看板。
その説明によると、今ある高松塚古墳は、築造当時の姿を復元したもの、だそうです。発見時、極彩色で有名になった石室内の壁画は、劣化が進んでしまったため、平成17年に石室ごと取り出され、現在は別所で修復作業をしています。

 

さらにオマケです。

歴史公園を出てから、こんな社屋の製薬会社を見つけました。

高市製薬の社屋、「明日香」感にあふれています(笑)。

 

ついでに、その近所の風景。

こちらも、しっかり「明日香」しています。

 

さて、明日香話は以上です。
最後に、奈良で最近建てさせていただいたコアーの家を見て頂きたいと思います。

↓こちらです。

明日香村の隣、橿原市のN様邸です。
やはり、背景の空が曇りがちで暗いのがちょっと残念な写真となってしまいましたが、橿原市郊外の田園風景の中に、しおらしく佇む姿をご覧いただきたく思います。

橿原市は、「宮」の周囲に計画的な市街地を配した、初の本格的な都とされる「藤原京」があった場所です。このお宅から、大和三山の耳成山と畝傍山が望めます。

このような歴史的背景を持つ風土の中に、コンクリート造りや、サイディング張りの家は似つかわしくありません(←個人的感想です)。

奈良の地でも、しなやかに風土に溶け込む家をお望みなら、コアー建築工房をご検討下さい、と宣伝をして、本日の記事、おしまいです。

(梅谷)

 


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