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古民家の珍客。とんでもない者が、とんでやって来た!?

天候不順の夏も過ぎ、少しずつ秋の気配が漂い出した今日この頃、皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。

今日ご紹介するS様のお宅では、都会ではまずお目にかからない小動物が、ご自宅の天井裏にこそっと出入りし、お騒がせしている、というのが今回の話です。

 

S様邸は、河内長野市の山間にあり、周りは豊かな自然に囲まれております。まずは、周囲の風景をご覧ください!

大阪府内とは思えないような、山里ですよね。木々の中に埋もれるように、ぽつりぽつりと古民家が建っております。そして、S様のお宅も築六十年を超える古民家です。3年ほど前に当社で再生工事をさせて頂きました。

そして、お騒がせの侵入者の正体ですが、専門の調査会社によると、どうもムササビのようなのです。奥様は、それらしき姿も見た、とおしゃっておりました。

そう、鳥でもないのに空を飛ぶ(正確には滑空ですが)、あのムササビです。

↓ムササビってこんなやつです

(出典:朝日新聞DIGITAL 環境 コラム 野生を撮る)

案外可愛いお姿です。

調査会社によると、1階の天井裏に出入りしている様子だが、既存の点検口だけでは、全体的な調査ができない、ということで、新たに点検口を増やすためにお伺いしたのでした。

新たな調査の対象となるのは、和室と広縁の天井内です。そのために広縁の天井と和室横にある玄関のウオークイン収納の天井、そして和室の真上にある小屋裏の洋室の床、の3か所に点検口を設けました。

↑広縁の天井点検口。

 

↑玄関ウオークイン収納の天井点検口

 

↑和室の真上の小屋裏洋室の床点検口

いずれも和室の天井内を中心として、その周辺をチェックするためのものです。

 

3カ所開けてみて、今回のポイントとなったのは、広縁の天井点検口でした。その施工の様子をお伝え致します。

↑広縁の端の天井部に目標を定め、

↑天井を開口します。

 

そこから近い隅をのぞき込むと、こんな様子でした。

ウレタンの欠片のようなものが、たくさん散らばっています。小屋裏の屋根面下などに現場発泡で吹き付けた断熱材をホジホジ、あるいはカジカジしていたようです。糞らしきものも少し落ちておりました。

穴からの他の方向を見るときれいな状態です。

広縁天井の穴をあけた場所、まさにビンゴ!だったようです。

 

建物の外観を見て頂きましょう。

↓こんな感じです。

軒の下に並ぶガラス入り建具の向こうが広縁です。この窓の上の下屋根左端の内部が、カジカジ・ホジホジの現場となります。

 

専門の調査会社によると、上の写真2枚のような、屋根のこんなところの隙間から出入りしている可能性が高い、とのことでした。

施工中は、結構騒がしくしていたせいか、ムササビくんは見かけませんでした。今回の施工で、人の気配が身近に感じるようになるだろうし、これをきっかけにお引越ししてくれたらいいですね、などと施工中にお話をしておりましたのですが・・・

 

さーて、施工から4日目に、お電話をいれてみました。

奥様曰く「また、来ています」

田舎のムササビくんは、なかなか図太い神経の持ち主だったようですね。

再び天井裏でガサゴソ音がした夜、外へ出たときに、屋根の上で光る眼玉を見たそうです。ちょっと不気味だったでしょうね、きっと。

まあ、これも自然豊かな土地柄であるからこそ、の珍客訪問です。ムササビは日本に古来から棲む野生動物で、鳥獣保護法で「非狩猟鳥獣」とされているため、駆除の方法としては、「追い出す」ということになるようです。他の害獣たちとは違って、家屋にはそんなに被害を出さないそうですし、子供がいるならしばらくしたら巣立つことが多いとのこと。気が付けばいなくなっていた、ということもあるかもしれません。出来ましたら気持ちの上では仲良くしてあげてください(←無責任発言)。

豊かな自然に包まれて、再生された古民家で住まう。素晴らしいと思います!!

それでは、シュワッチ!

↑フリー画像からお借りしました。

(梅谷)

 

   

 


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