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1点透視図法で描く、インテリアスケッチ

私は、お客様と打ち合わせするときなどに、よくスケッチを描きます。

私の場合、一応今までに数をこなしてきましたので、透視図法に頼らなくてもそれなりにサラッと描けるのですが、慣れていない方が何もガイド無しで描くとなると、構図のバランスや形の取り方など、結構難しいものです。

当社ホームページに来られている方は、少なくとも「家」についてご興味があることでしょうし、インテリアについても同様ではないかと思います。「頭の中で思い描いたインテリアを絵で表現してみたい」、そんな方のために、1点透視図法を使ったインテリアスケッチを紹介したいと思います。

 

1点透視図法のやり方にはいろいろあるのですが、ここでは最も基本的な、グリッドを使った方法を見ていただきます。考え方としては、平面図上にグリッドを書き込み、1点透視図法で描き起こした床面部分に同じようにグリッドを描き、立体的に立ちあげてゆく、といったものです。

以下に、その作成手順をザクっと解説しますが、実はこの作例、今年の新人研修で私が担当した時に、演習用テキストとして準備したものです。お時間許せばご一緒に!!

 

①これが用意した課題の図面です。

木造住宅の6帖の広さの洋室。上が正面の立面図、下が平面図です。

 

②平面図にグリッドを書き入れる

細い実線が半間(910mm)ピッチ。されにその半分の位置に点線を書き入れています。このグリッドが、造作物や家具などの大きさや位置を読み取るガイドとなります。

 

③部屋の大枠を、1点透視図法で描き起こします。

中の四角が部屋正面の立面図。家具などは単純な四角形で描きこみます。

Aサイズの紙に描くなら、縮尺は1/30ぐらいが作業しやすいでしょう。VPというのはvanishing point、すなわち消失点のことです。VPは、1点透視図法では左右のほぼ真ん中に設定するのがセオリー(端に寄せると、その反対側の歪が大きくなるから)。高さは縮尺上で1.5m程度(一般の人の目線の高さ)に設定します。

VPから引っ張り出された線が、両サイドの壁と天井・床それぞれの境目の線になっているのがわかりますでしょうか。

 

④床にグリッドを書き入れます。

正面の立面図底辺部に縮尺上の455㎜ピッチで印をつけ、VPから引っ張り出すように各印を通る線を書きます。奥行方向の分割は、下記のように対角線を使えば機械的に位置が求められます。

 

⑤床に、家具などの配置を落とし込みます。

平面図を見ながら、床にあたる部分に家具などの配置を書き込みます。

 

⑥家具などを、直方体の組み合わせのような立体に描き起こします。

前項で平面上の位置が決まったものに、高さの要素を加えます。高さは正面図に先に描いた家具類の立面が投影された形を利用して、VPから線を引っ張り出すように描き、それに対し、床に描いた四角の各頂点から垂線を立ち上げ、それぞれの線の交点を求めることで立体化させることができます(言葉で表現するとややこしいが、実際に描くと簡単です)。

立体化させた状態がわかりやすいように。黄色で色付けしました。

 

⑦直方体の組み合わせで描いた家具などに、細かい描きこみをします。

前項で単純な形で描いた家具などを、彫刻をするように描きこみをして、形をととのえていきます。窓にはカーテン、テレビ台の上にはテレビ、ソファーの上にはクッション、テーブルの上には雑誌や花、など演出的な要素も書き加えていくとよいでしょう。

 

⑧スケッチ完成です。

家具などの木目や床のフローリング等を描いたり、影などを付けたりして、スケッチの完成です。

 

さて、いかがだったでしょうか。きっと、言葉での解説は分かりづらかったのではないかと思います。新人研修でやったように、説明をしつつ実際にその場で描くのを見て頂ければ、はるかに分かりやすいのですが、、、

新人研修での私の役割分担は、「リフォーム、メンテナンスなどの説明」だったのですが、半日間という時間があったので、「おまけ」として1点透視図法を使ったスケッチの演習をやってもらいました。

図法の習得は手段であって目的ではありません。こんな図法使わなくてもちゃんとスケッチ描けるもんね!というのであれば、それがベストです。しかし、実際には何のガイドもなく描くのは難しいものです。だから、まずは図法を利用して描くことを繰り返す。そうすれば、モノの見え方が分かってきて、空間把握能力が高まります。これが大事!。自然とスケッチもうまくなっていくし、設計するにしても、現場管理するにしても、きっと役に立つと思います。

新入社員の石田君、佐藤君、和田君の3人は、それぞれ個性あふれるスケッチを描いてくれました。今後、配属された部署で、何らかの形で生かしてくれたらなと願っております。

さあ、これを読んでいただいた貴方も、自分だけの素敵なインテリアスケッチ描いてみませんか!?

(梅谷)