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昭和の街角、近鉄田原本駅前辺りを歩く。

以前このブログで、江戸時代の古民家が数多く残る奈良県橿原市今井町のことを紹介したことがあります。

その時の記事はこちら→古民家の郷、橿原市今井町を訪ねて。

さて今回は、郷愁の奈良県第二弾として、磯城郡田原本町のことを書きます。

田原本町は、奈良盆地のほぼ中央に位置する面積21.09㎡ 人口3万人程度の小さな町。

その中心部にある近鉄橿原線 田原本駅の周辺の街並みには、昭和の面影が色濃く残ります。

「今井町」の歴史的景観の紹介は江戸時代へのタイムスリップでしたが、本日の「田原本」では昭和の街角へご招待したいと思います。

 

さて、ここが近鉄田原本駅の西口。

こちら側にはバスターミナルがある広大な駅前広場が整備されて、今日的な風景が見られます。

しかし、駅の北側にあるこの踏切を渡り、東口がある方へ足を踏み入れると、

昭和の名残があふれる街並みが広がります。

 

こちらが、田原本駅東口。駅舎こそ近年建て替えられたらしくて(たぶん)、今日的で無機質なデザインの建物となっていますが、その近辺の通り沿いに並ぶ建物は押し並べて古い木造が多く、そこに「昭和の時代に考えた近代的なデザイン」を纏った店舗が、経年劣化を耐え忍びながらも(中にはいまどきのリノベーション店舗も見受けられますが)散在する商店街となっています。このガチャガチャした雰囲気がとても魅力的なのです。

さて、そんな通りの様子をご覧ください。

この街並み、昭和の時代に生まれ育った私のような年代の者にとっては、たまらなくセンチメンタルな気分になってしまう懐かしい情景なのです。幼なじみのヒロちゃんやマサノリちゃんが、あの時の姿のまま前方の辻からひょっこり現れそうで、ううっ(←嗚咽)。

<余談>大きめの通りでは、両サイドにレトロなデザインの街灯が並びますが、これはたぶん街並みに合わせて後年設置されたものでしょうね、Good job.町役場!!(拍手)。

 

駅前から少し離れると、さらにDEEPな世界が待っています。

 

街中には、由緒ありそうな立派な神社やお寺もありました。

この町を古くから見守ってきたのでしょうね。

 

私が車を停めた、駅から近いコインパーキングのすぐそばに、小さな公園がありました。

公園の入り口横には小さな祠がありました。ここで遊ぶ子供たちを見守るためにつくられたのでしょうか?この時は誰もいませんでしたが。

そういえば、街中の所々の辻にも小さな祠があり、不思議な感じがしました。

「危ないから」という理由で今ではほとんど見られなくなった「すべりだい」「ぶらんこ」「ジャングルジム」が、ここでは堂々と鎮座しておりました。しかも美しく整備された状態で! これぞ日本の正しい「児童公園」の姿だと思います、昭和人間と致しましては。。。

 

こうして街中をぐるぐる回っていると、所々で建て替えたばかりのような新しい家が見受けられました。このようにして、街は徐々に姿を変えてゆくのでしょうね。

それらの新しい家の外壁は、たいていサイディング張りで仕上げられ、周りの街並みからは明らかに浮いた存在となっており、この辺りに漂う儚くも美しい昭和の雰囲気を台無しにしているようで気になりました(←個人的感想です)。

手前味噌な話になりますが、コアー建築工房が建てる家だったら、自己主張が強すぎることもなく、街並みに溶け込むように馴染むのになぁ、と、少し残念に思った次第です(←はい当社の宣伝です、すみません)。

コアー建築工房は、地元堺市を中心に新築・住宅再生を手掛ける工務店ですが、数は少ないけれど、奈良県でもぼちぼち建ててきました。

現在も(令和3年5月時点)、橿原市と桜井市で、それぞれの風土を味方にし、街並みに美しく調和する「しおらしき家」を建築中です!

(梅谷)