メンテナンス

外壁のメンテナンスと積立について

写真の弊社の深井展示場も築19年になります。

■10年後のメンテナンスについて。
賃貸マンションでは、管理組合や大家さんに修繕をおまかせできました。
戸建ては自分で所有しますので、そうはいかなくなってきます。

家を建てるとき、この修繕費用についてまではなかなか資金計画には挙がってきません。
自分で積み立て、貯金から家に使うお金が出てくることを想定しておくことが大切です。

では、10年、15年で主にどのような費用が想定されるのでしょうか。
①外壁、屋根の塗装メンテナンス
→10年前後で汚れが気になりだしはじめる時期になります。

②給湯器など設備機器
→冷蔵庫や洗濯機が壊れるように、あらゆる機械は必ず壊れます。そしてそれはある日突然の出来事です。

③家族構成の変化による間仕切りなど間取り変更
→お子様の成長などが要因になります。あらかじめある程度の想定もできます。

細かなところはいろいろありますが、主な大きな出費としてはこのあたりが多い印象。

外壁の種類として
①モルタル+吹付
②窯業系サイディング
③金属系サイディング
などが挙げられますが、いまのところ、完全なメンテナンスフリーな外壁というものはありません。

「サイディング 目地」の画像検索結果

雨掛かりによって差はありますが、遅くとも15年程度が塗替えの目安です。
サイディングによっては、モルタルよりは汚れにくいと言われる商品も出ていますが、目地のシーリングの劣化は避けられないのです。
このシーリングの劣化は、素材の特質上外壁の汚れよりも早くきます。金属系のサイディングも、表面のコーティングの塗り直しが必要な時期がでてきます。

弊社の標準は、昔からの定番外壁のモルタル刷毛引きにアクリルスタッコの吹き付け仕上げです。
耐久性はサイディングと比べても遜色ありませんが、20年、30年と放置したモルタル外壁が剥落している様子は、街のあちこちで見られるのも事実。

外壁の塗装の劣化は以下のような段階に分かれます。(エスケー化研のHPより)

1段階:汚れ、変退色など、外観性能が失われる
2段階:塗膜の表面劣化が進行し、チョーキング(白亜化)、磨耗、ひび割れなどが生じている
3段階:塗膜のひび割れが素地まで進行し、浮きや剥がれが生じ始める
4段階:塗膜の連続性が失われ、素地との密着性、保護機能を失う

外壁を触ってみて粉がつくようであれば、チョーキングの目安となります。
2、3段階に達した時期が最適な修繕時期であるため、ここに達するまでの期間を耐用年数とします。

足場を掛けて、日数をかけて塗り直しますので、それなりの出費が想定されます。
外壁と屋根まで塗り直した場合、目安として30坪の家で、120万~150万ほどの費用がかかってきます。
バルコニーなど外部の障害物の有無によって金額には開きがあります。

では、10年目、15年目に塗り直しをした場合、それぞれどのくらいの積立金額になるのでしょうか。

仮に足場をかけて屋根、壁、木部の塗り直して140万円(税込)かかる工事を行うとします。
外壁塗装メンテ工事の見積書(ひな形)

 

10年目でメンテナンスする場合、月々の積立は1.2万
15年目の場合、月々8千円程度になります。

賃貸マンションで支払っていた修繕積立金というのは、一戸建てにおいてもそれなりに近い金額になるものです。

土地の価値はゆるやかに変動し、家の価値は30年をかけて0に向かっていきます。
むしろ、解体費用がかかるため、質の悪い住宅は200万円ほどのマイナスというお荷物になってしまいます。

家の劣化を緩やかにして、将来も資産として家を保って行くためにも、修繕積立金のご準備をという話でした。

(成願)