伝統を吟味し、新たな価値を発信する。
わたしたちは想像します。
日本人にとっての豊かさについて。
コアー建築工房は創業よりずっと、
日本の伝統美の素晴らしさを唱えてきました。
それはたとえば、職人による手仕事の芸術性。
季節や時の移ろいを五感で味わうことのできる無垢な空間。
手間暇かけた料理の、素朴だけど心に沁みる味。
風と陽と、炎と、緑と、土と木の芳醇な薫り。
気の遠くなるほど遠い昔から受け継がれているからこそ、
そこには日本という国で豊かに生きるための知恵、
そして本質がちりばめられています。
伝統とは文字通り、失ってはならない「遺産」なのです。
それらが本質的であるほどに、
そこには時代や流行に左右されることのない価値がある。
わたしたちは伝統を吟味し、
現代の生活様式に調和するよう精査して発信します。
そうすることで「遺産」は失われることなく、
暮らしに寄りそう「新たな価値」へと進化するのです。
わたしたちは創造します。
伝統と現代の革新性が融合した、美しく豊かな未来の日本を。
それこそがわたしたちコアー建築工房の使命です。
ご挨拶

近年の技術の進歩により大量のモノが市場に供給されるようになりました。
特にプラスチックなどの石油化学製品の発明により利便性が大幅に向上した反面、大量生産・大量廃棄が当たり前の世の中になりました。いわゆる使い捨ての文化です。このような時代になったからこそ、手づくりのモノ・自然由来のモノを手入れをしながら大切に使うことに価値を感じています。
休みの日には定期的に靴や鞄などの革製品の手入れをするのですが、時が経ち風合いが変化するにつれて愛着が増します。
そこにかける時間やコストを考えると決して合理的ではないかもしれませんが、とにかくそれが心地よいのです。
わたしたちの住まいづくりもそのような考え方に基づいています。
親から子へ、子から孫へ、そして時には第三者へ、手入れをしながら愛着を持って住み継がれる住まいをつくりたいと強く願っています。
それが実現するとスクラップ&ビルド(壊して建てる)が緩和され、わずかながらも環境負荷の低減に寄与できます。
そして何よりもそんな住まいの方が、暮らしが豊になると思うのです。
わたしたちは、自然素材を用いて手仕事で住まいをつくっています。
そして居心地のよい空間と美しいデザインを追求しています。
今後ますます現場の職人不足が進むことが予想されるため、工業化された人手のかからないつくり方にシフトするのが世の中の流れですが、わたしたちのようなつくり手が存在する世の中も多様性があってよいのではないかと思います。
手仕事を引き継ぐのは「人」です。
居心地の良い空間をつくるための経験値を高め、美しいものを美しいと感じる感性を磨く。
わたしも含めて社員それぞれが自己研鑽して、互いに知を共有し合うことで成長できる組織を目指しています。
